アルゲライエンはイランの南東部、ケルマーン州ライエンにあります。アルグとは城を意味し、アルゲ・ライエンでライエン城となります。アルゲ・ライエンは世界で最も大きい日干し煉瓦でできた遺跡のひとつで、同じくケルマーン州にある世界遺産のアルゲ・バムに次ぐ規模です。
バックに見えるのはケルマーン州最高峰のヘザール山(4,465m)です。ライエンの街も標高が高いので、6月の暑い時期でしたが、車の窓を開けると涼しい風が吹き込んできて気持ち良い所でした。街の写真はありませんが、街路樹の緑が多く美しい街です。
城郭の東側にある外部につながる唯一の城門。城壁の高さは10メートル以上あります。
城主の居住区。内部は同じような中庭が4つあり、侵入者が迷いやすく作られています。実際そのおかげで、落城間際に敵が迷い、その間にこの屋根をつたって城主が逃げおおせたことがあるそうです。
一般庶民の居宅跡。夏涼しく冬暖かくなるよう、出入口は狭く、壁は厚く作られています。出入口が狭いのは侵入者を迎え撃ちやすくする理由もあると聞きました。
アルゲライエンの歴史は古く、イスラム化以前のササン朝期から記録に残っています。そしてつい150年前まで人々がこの城郭の中で暮らしていました。
他にも貴族の邸宅跡や、バーザール跡、いくつかの食料や軍需品の貯蔵庫、ゾロアスター教の寺院跡などが残っています。
この街の特産品はナイフなどの刃物。昔は剣などの武器を作っていたので、そのことも城の堅固さに一役買っていたようです。
ケルマーンからライエンへはバスは無いそうなので、タクシーをチャーターして行く必要があります。ケルマーンから車で1時間半程度です。
帰り際、ふと見ると壁にトカゲが一匹。面白い写真がとれました。ご覧の通り、藁と泥を混ぜたものを日干し煉瓦の構造の上にコーティングしてあります。少々の雨では崩れたりはしないとのこと。
この日は観光の一日。ペルシャ絨毯の収穫は無し。