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執筆者の写真rugsrang

イスファハンのガラムカール

更新日:2022年5月23日


 ガラムカールは木製の手彫りのスタンプを用いて柄をプリントした、主にコットンの布地です。イスファハンの重要な手工芸品のひとつで、長い歴史を持っています。その起源はさだかではありませんが、イスファハンがサファヴィー朝の都だった17~18世紀頃から盛んに生産されており、当時は住民の服などに広く使われていたようです。



 イスファハンの世界遺産イマーム広場から続くゲイサリーエバーザールに、サファヴィー朝の当時はその入口から終わりまでずっとガラムカールの工房が並んでいたようです。当時は市内を流れるザーヤンデ川に水量が豊富だったので、川で生地を水にさらしていました。

 現在ではガラムカールの工房はイスファハンの北部フールズーク地区に多く存在しています(イスファハンの北側地区は低所得者層が多く住むエリアで絨毯の生産も北側地区が主です)。


 300年以上前のサファビー朝の頃から何代にも渡ってバーザール内の工房でガラムカールを作り続けているファフフーリー工房を訪れました。

 まずはガラムカールにプリントする様子をご覧ください。


 マスキング用の布の角度を変えながら何度もスタンプを繰り返します。腕にプロテクターをしていても作業が続くとかなり痛むそうです。



 この木製スタンプでつくりだされる柄がこちら。

 ガラムカールのデザインも、伝統的なイランの絨毯やモザイクタイル、木工等と共通するデザインです。

 年季が入ったさまざまな柄のスタンプ。素材は主に梨やサンザシの木。


 バーザールの店だと「全部草木染だよ」とセールストークされますが、現代では染色の安定性や経済性から基本的には化学染料が使われます。

 ファフフーリー工房では赤色だけは昔ながらの天然染料を使用していて、ザクロの皮等いくつかの素材を用いて色を出しているそうです。


 実はこれ、ピンクのガラムカールでは無いんです。染色したての状態はピンクなのですが・・・・。

 時間が経つとこの通り、深紅に染まります。

 最後に裏面に工房の印とサイズをスタンプして完成。


 ご覧の通り、絨毯ほどではないですが、特に白地の部分が少なく柄が密に入ったガラムカールには相当な手間が掛かっています。その割には安価ですので、気軽にイランの古都イスファハンの雰囲気を感じることができるお土産に人気の手工芸品です。コーヒーテーブルやサイドテーブルに敷くととても素敵ですよ。


 今回、数は多くありませんがファフフーリー工房のガラムカールを仕入れて参りました。当店のショッピングサイトでお買い求めいただけますので、是非ご覧ください。


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